11/09/2022
1年を通してシャツというものをあまり着ることがなかった自分にとってこのシャツとの出会いは非常に大きいものだった。全く着ないわけではなかったが、俗にいう白シャツみたいなものは特に着る機会が少ない。誰かが格好良く着ているのを見て羨ましく思うことはあれど肩肘張ったように思えて、自分の好むスタイルとはどこか遠いところにある様な気がして敬遠していた。ただこのシャツは実際に袖を通して、しっくりくるものがあった。素材としてはコットンとシルクを混紡した上品な面構え。通常であればビシッと決める様なドレスシャツの様なものに似合う生地なのだろう。そこにワンポイントにして最重要ポイント、塩縮加工をオン。ただ全体に塩縮加工をかけるのではなく、刷毛でボーダー状に塩縮加工を入れていく大変手間と時間の掛かる方法を選び、部分的に塩縮の掛かるよう仕上げている。この方法を取ることで表情は豊かになり、自然な洗い晒しの様な雰囲気を作り出している。肌触りも想像以上に軽く、柔らか。神経質なイメージを持っていた白シャツを、むしろ汚してきた方がかっこいいのではないかと思ったのは初めてのこと。ラフな印象を与える生地をラフに仕上げるのではなく、あくまで丁寧な縫製で仕上げることにより生まれる違和感。自分が苦手にしていた雰囲気をいい意味で崩してくれた一着。その時々でデザインは変われど、必ずワードローブに入ってきてくれることだろう。
#シャツ