10/08/2026
デニムの縦落ちとは、デニム生地の表面に、デニムの経糸(たていと)が浮き出て見える状態。
ですから、生地を作る工程の最後で、生機(きばた)に圧力を加えて、かつ表面を滑らかにする工程の程度を弱めると、凹凸が残ります。
生地表面の毛羽立ちをバーナーで焼く「毛焼き」+捻れ防止加工「スキュー」+縮み防止加工「サンフォライズ」のうち、特に、スキューとサンフォ(ライズ)を弱めると、洗って糊を落とすと、表面の凹凸が際立ちます。
この弱めの仕上げが、凹凸=縦落ちを生みます。
本物のビンテージのデニムの生地の縦落ちが、目に心地良く、感動的に見えるのは、昔は生地の毛焼き、スキュー、サンフォの度合いが少なかった、もしくは無かったから。
この凹凸が、縦落ちを生むと言う真実が、長い期間、現代まで残っているのは、頑固に自社の矜持を貫いてきた、リーバイスに生地を供給していたコーンミルズ社の、501専用のシュリンクトゥーフィット基準や、レギュラー501のプリシュランク基準、そして、一般的なデニム商品のための基準を、それぞれ区別して大切に守って来たから。
では、一番、縦落ちが激しく見えるデニムは何かと言うと、答えは生機。
ただし、デニム業界で言うイライラ、シボなど、荒々し過ぎない「人間の目に心地良い美しさ」を求めると、それはネガティブな要素になります。
だから、結局のところ、毛焼き+サンフォ+スキューの調整具合で、現代の「荒々し過ぎない人間の目に優しい美しさ」が決まります。
追伸、
毛焼き+サンフォ+スキューの加工を十分に行ったデニム生地は、一般的なジーンズを生産する時に欠かせません。
特に、縮みと捻れを防止する為の、サンフォとスキューは大事です。
何故なら、店頭に並んだジーンズのサイズ表記は同じなのに、実際のサイズにバラツキがあるとお店も消費者も困惑してしまうからです。
または、買ったジーンズを家で洗ったら縮んでしまったと言う問題をクリアする為です。
一般的なジーンズは、工場において、リジットジーンズ(糊のついたデニム生地を縫い合わせた状態のジーンズ)を、洗って、乾燥機に入れて縮ませて、店頭に並ぶ時の最終サイズを確定します。
その工程を確実に行う為に、サンフォとスキューは欠かせない大事な工程なのです。