04/12/2025
みんなでみんなを見るための、「受け持ち制」と情報シェアのしくみ──写真で知ろう!小規模保育【環境】
個別の保育計画を、フルタイムの保育士だけでなく、スタッフ全員で分担し立てていく「受け持ち制」。情報共有のしくみを整え、子ども一人ひとりに統一したケアを行うなかで、小さな成功体験がしっかりと積み重なる保育を目指しています。
<ちっちゃなこども園ふたば/兵庫県神戸市>
【園児数】10名
【保育者数】保育士8名(+子育て支援員2名)、看護師2名
(2025年10月時点)
■ ねらいと配慮
2004年に認可外施設として、一戸建ての借家でスタートした本園。当初から医療的ケアの必要な子どもを受け入れており、現在の場所に移転し小規模保育施設となってからも、医療的ケアの必要な子とそうでない子が、ともに過ごせる場所づくりを続けています。
多様な子どもたちがいるからこそ、大事にしているのは「一人ひとりを大切にする」保育です。そして実際に個々の子どもを丁寧に見ていくには、細やかなアセスメントと保育計画が欠かせません。短時間勤務やパートの職員が多いなかで、特定のフルタイム職員(2025年10月時点では1名)のみでその役割を担うのは難しいため、本園では以前から「受け持ち制」として、一定の経験を積んだ職員が1〜4名の子どもの個別保育計画を立案するしくみを導入してきました。
個々の子どもの月案などをそれぞれの受け持ちが作成しつつ、実際の保育の場では「すべての職員がすべての子どもを見られる」体制をつくり、一人ひとりの発達を丁寧に見守るようにしています。
■ 振り返り
受け持ち制で重要になってくるのは、それぞれの子どもに関する情報が「集まる」しくみと、その中で全員に共有されるべき情報が「伝わる」しくみです。本園ではそのベースとして、いつでも情報を更新できたり、閲覧できたりする環境を整えました。
その中心となるのが、保育施設向けのICTシステムの「経過観察カルテ」です。どの職員アカウントからもすべての園児の記録を書き込めるので、ふと気になったことや、子どもの変化などを受け持ち担当の子どもに限らず入力することができます。
現在は保育士や看護師だけでなく、外部スタッフとして関わる療法士の方々にもアプリへの記録をお願いするようになりました。アプリには写真なども登録でき、内容によって「評価」「本日の保育」「クラスへの導き」「園児への導き」などに分類できるため、情報の整理や共有がしやすくなっています。
またオンラインのツールに加えて、毎日昼に30分ほどのミーティングを行っています。それぞれの子どもの細かいエピソードや気づきを共有し、意見を交わす大切な時間です。適宜申し送りを作成し、次に出勤した職員も内容を把握できるようにしています。
そうして集まった情報を元に、受け持ち担当の保育士や看護師が一人ひとりの保育計画を立て、個人シートに反映します。そのシートを毎日見ながら、園全体で統一したケアを行っていきます。例えば着替えが苦手な子どもへの支援について「まずは子どもが自分でズボンに足を通す」など共通認識を具体的に持っておくことで、私たちはもちろん、子ども自身も戸惑う場面が減ることへ繋がります。
実際にそうやって子どもにとって必要なステップをひとつずつ踏んでいくことで、子どもにも職員にも、無理なく小さな成功体験を積み重ねることができます。
■ 「小規模保育」としての視点
「みんなでみんなを見る」保育は、どうしても人数が多くなると難しい面がでてきます。他の園を経験したスタッフから見ても、10〜12人ほどが通う本園の規模は、一人ひとりと丁寧に向き合うのにちょうどいいサイズだと感じています。
また一人ひとりの保育計画を、スモールステップで丁寧に立案できるのも小規模ならではのメリットといえます。立案を担当する園児も、保育者ひとりにつき1〜4名なので負荷が少なく、結果的に計画そのものを細かく見直すこともできています。
さらに、キャリアの浅い職員が担当を持ちやすいのもポイントです。いきなりクラス全体を任されることなく、まずは目の前のひとりとじっくり関わることから始められる。気負わず取り組むことから、子どもの育ちに寄り添う面白さややりがいを感じてもらえたらと考えています。
【園情報】
ちっちゃなこども園ふたば(NPO法人こどもコミュニティケア)
https://children-cc.org/
兵庫県神戸市垂水区舞多聞東2-6-9-1F
定員12名
小規模保育事業A型・管理者設置あり
https://note.com/shokibo_hoiku/n/nd46d3c15ce4d
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