08/09/2025
9月2日から5日まで、テキスタイル産地ネットワーク in 京都を開催しました。今回も大変盛り上がりました。厚く御礼申し上げます。
丹後と京都を結ぶツアーでは、丹後の自然・歴史・文化に触れ、そこから生まれた織物業の展開と現在について体験的に学ぶことができました。ご案内して下さったのは、小森優美さん(森を織る)と堀之内綾果さん(COS KYOTO。丹後ご出身)のお二人。
禅定寺では、丹後で織られた最古のちりめんを拝見し、続いて、1925年にちりめん・養蚕関係者が織物と養蚕の神を奉祀した蠶織神社(網野神社内)を参拝しました。次に、八丁浜で丹後の自然を体感した後、ついに丹後ちりめんの代表的織元である田勇機業さんへ。同社は、八丁撚糸の技術を継承し、和装品に限らず、広幅の洋服地など、国内外の様々な分野に市場を拡張されようとしています。初日の最後は、大成古墳群を訪れ、この地に織物の技術をもたらした渡来人に思いを馳せました。
2日目は、原田美帆さんの工房PARANOMADと創作工房糸あそびさんを訪問。原田さんのお取り組みに皆大いに刺激を受け、糸あそびさんのサンプルや設備には皆興味津々でした。
丹後を離れ、京都では、織姫社のある今宮神社を参拝した後、森を織るでのワークショップを体験。ここでは、丹後で目にした青わそれぞれが思い浮かべながら、ログウッドでグラデーションの染めに挑戦しました。自分が目にした風景を作品として残す体験はとても新鮮でした。
4日からはセッションですが、初日は、テキスタイル産地ネットワークのメンバー以外にも広く参加を呼びかけ、「クラフト未来会議」として開催しました(京都リサーチパークで開催)。京都ということもあってか、今回は学生(高校2年生も!)の参加もちらほらあり、嬉しかったです。
以下に主な内容をリストアップします。
DAY1【OPEN DAY】
Andrea Petochi氏(Managing Director Liberty)「Libertyの150年、これまでとこれから」
Alessandro Biamonti先生(ミラノ工科大学)
Harry Pearce氏(グラフィックデザイナー)
安西洋之氏(モバイルクルーズ)
小林新也氏(MUJUN)「アートとデザインの力で里山と職人文化を再生する」
小森優美氏(森を織る)・北林功氏(COS KYOTO)「ものづくり×Transformative Tourismの可能性」
山内浩氏(写真家)「国際写真祭における言語化:ステイトメントの役割」
午前は、創業150周年を迎えたLibertyの歴史と現在、社会変化とデザイン概念について学んだ後、COS KYOTOの北林功さんが安西洋之さんと「KYOTO TRIENNALE」構想を発表しました。
午後は、小林新也氏さんが播州刃物の再生に向けたお取り組みから島根での里山づくりへと活動を拡張されたご経験を披露してくださった後、小森優美さん・北林功さんが「森を織る」などで取り組もうとされているTransformative Tourismの可能性を語ってくださいました。最後のスピーカー、山内浩さん # #からは、言語化の重要性となされるべき配慮について自らのご経験をもとに説明してくださいました。
DAY2【テキスタイル産地ネットワーク関係者(新規参加者含む)限定】
《セッション》
奥龍将氏(スマイリーアース)「究極の循環型ものづくりがもたらした変化」
安田伸裕氏(楠岡義肢製作所)「分野の溶解がもたらす新しいものづくりの姿」
武田真彦氏(音楽家)「音楽・アート・工藝を超え、織物業を継ぐ"見立て"と"覚悟"」
小澤茉莉氏(東京科学大学大学院)/久米悠平氏(影森養蚕所)「埼玉・秩父の地域循環ものづくりの可能性と欧州絹産地との比較」
《振り返りとその共有》
【オプション】MITTAN Night Tour
セッション2日目は、テキスタイル産地ネットワークのコミュニティとして、京・和新庵で開催。
奥龍将さんは、身近な川を汚染する家業を敬遠していた日々から、ウガンダとの出会いをきっかけに持続可能なタオル製造業へのDIY的アプローチを確立されたご経験をお話下さいました。
安田伸裕さんには、藍染など、義肢装具をより魅力的で身近なものにするための様々なお取り組みをご紹介いただき、早速参加者とのコラボ構想が立ち上がっていました。
武田真彦さんからは、音楽の世界に進まれ、これまでにない形で人々が様々なクラフトにふれる機会を提案されたご経験が、新たな表現形態での家業(織物業)や建物の継承につながったことを教えていただきました。
最後に、小澤茉莉さん・久米悠平さんには、日本・秩父の養蚕業とご自身の養蚕とフランス・イタリアの養蚕業のリサーチの成果をお話しいただき、養蚕業の今に関する具体的で新鮮な視点を得ることができました。
今回は、新たな取り組みを始めるにあたり色んなことを自分でやったというDIY的なお話が結構あったので、最後の振り返りタイムでは、何を残して何を変えるか、何を自分でやり、何を人に任せるか、というテーマで感想を共有しました。
私のグループでのコメントで印象的だったのは「やっぱり山に行かなあかん」でした。もちろん勝手に人の山に入るわけにはいかないし、自然に不慣れな方もいるので、色んな特技や趣味を持つ仲間で学び合う機会を増やすのが良いのでしょうね。
セッション終了後、時間のあるメンバーは、デザイナーの三谷武さん自らご案内下さるMITTANツアーへ。お直しやリメイクに関する独自のアプローチなどをご説明頂いた後、お買い物までできてしまい、皆大満足だったのではないかと思います。
今回は、国籍・業種・世代を越えた交流がたくさん生まれたように思います。ここから、それぞれの可能性がさらに開かれてゆくことでしょう。ありがとうございました!
次回は、来年の秩父での開催を目指して準備を進めます。今後ともよろしくお願い致します!